ビジネス英語versus日常会話
ビジネス英語と普通の英語はどう違うの?
英語自体に違いはない
多くの人がビジネス英語と日常会話は違うものだと思っているようですが、基本的には同じです。唯一違うのが単語です。それ以外の文法、リスニング、スピーキングなどの技術には大差はありません。
ビジネス用語とは専門用語
唯一違うのが単語だといいましたが、単語というのは専門用語になり、分野や業界によって変わってきます。医者や看護師だったら医学用語が必要になってきますし、IT関連の技術者の場合はIT関連の専門用語が必要になります。
ビジネス英語は上級者向け
そしてそうした専門用語を覚えるにはまず、基礎的な単語力や文法の知識があることが前提となります。
専門用語だけでは会話は成り立たない
なぜなら専門用語だけで文章を作り会話を成立させることはできないからです。どのような状況でも基本の文法、また基本の動詞、名詞、形容詞、副詞などというものが必要になってきます。それらの語彙のない人がビジネス用語を覚えても、その状況だけ使えて広がりがない、ロボットのような会話になってしまいます。ビジネス用語だけを使ってビジネスをする人など、英語圏にはいません。ホワイトハウスの職員でも、ウォールストリートの証券マンでも、会話の80%で使う用語は、日常会話で頻出する単語なのです。プレゼンテーションをしたり、レポートを提出したりする時には専門用語を使いますが、それでさえ、日常の単語と混ぜ合わせて使います。
日本語でもそれは同じ
インドに行った時に、日本語のうまい商人に会ったのですが、絨毯やサリーなど自分が扱っている商品に関する語彙はとても豊富なのに、それ以外の話題になると、急に語彙が貧弱になったのを覚えています。結局、世間話ができなかったために、それ以上彼と話そうとは思いませんでした。しかしもう一人の人は日常的な語彙も豊富で、いろいろな話ができ、それによって信頼関係もできたので、結局そこで買うことにしたのです。つまり、日本語でもそれは同じだということです。
英語には敬語はあるのか
日本語の尊敬語や謙譲語のようなはっきりとした敬語は英語には存在しません。丁寧な表現というのはありますが、それも通常の会話クラスでカバーされています。かならずpleaseをつけるとか、Can youの代わりにCould youを使うなどというものですね。
日本人が意外に知らないマナーはある
強いて日本人が注意すべきなのは、そうした言葉づかいよりも習慣的なマナーです。相手が質問をしてきたらただそれに答えるだけでなくこちらからも聞き返すことが礼儀であることや、初対面の人にお金の話やプライバシーに関わる話題を持ち出すのはタブーであることなどは意外に知られていません。最近ではそうした文化的なことも会話クラスでカバーされることが多いです。
フレーズはどうなのか
ビジネスの状況でよく使うフレーズというものもあることはあります。電話の応対で使う表現、会議でよく使う表現。これは旅行会話にも通じることですが、そうしたフレーズもそれだけ覚えても応用が利きません。相手が習ったフレーズ通りに話してくれればいいのですが、少しでも違う言い方をされるとそこで詰まってしまいます。ですのでやはり日常会話ができることが前提となります。日常会話がある程度できる人ならば、フレーズブックを見て覚えるだけで十分使えるようになります。わざわざそれ専用のコースを受ける必要はないでしょう。逆に、基礎的な英語力(文法、単語、リスニング、スピーキング、リーディング、ライティング)を身につけるにはただ本を見ながらだけでは難しいので、レッスンを受けることが役立ちます。
プレゼンテーションやレポートの執筆
英語でプレゼンテーションを行ったりレポートを書いたりするにはかなりの英語力が要求され、上級者でないとできません。上級者の場合はそうした技術を英会話スクールで学ぼうとはしないでしょう。普通に英語で本を読んだり、ビデオを観たりすることができるレベルなので、英語圏の人向けに書かれたハウツー本やDVDを利用して学べばいいのです。
メールやビジネスレター
メールやビジネスレターの書き方にはそれなりのフォーマットがあります。こうしたことに関する専門コースを設けている学校はたくさんありますので、それらをレッスンを受けて学ぶことはできます。
初級、中級レベルではまず日常会話を
結論を言うと、初級、中級レベルならば、ビジネス英語を学ぶ以前に通常の英会話を学んだほうがいいと思います。そして自分が必要な状況のフレーズブックを買って、並行して覚える。
上級レベルの専門用語や専門技術はその道の専門家から学ぶ
プレゼンテーションの仕方等の専門技術は英語の専門家に学ぶのではなく、その道の専門家から学ぶのがベストです。今は本だけでなくインターネットのサイトからもいろいろ学べますし、YOU-TUBEなどの動画を使ったものもあります。
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