日本でできる英語勉強法として、リーディングもやりやすい方法です。アマゾンなどで簡単に洋書が入手できるようになりましたし、インターネットには豊富な文献があります。

語彙を増やすにはリーディングがベスト

昔から、語彙を増やすにはリーディングをたくさんするといいといいます。リーディングをするとわからない単語の意味を辞書で調べたりするので、語彙がどんどん増えていくからです。単語だけを独立して覚えるよりも、文章の中で覚えたほうが使い方もわかります。

リーディングを通して語順などにも慣れてくる

リーディングではリスニングより、一文一文をじっくり考えられます。従って語順など、英語の構造にも慣れてきます。

難しいものを読むのはすすめない

日本の学校教育ではリーディングに力を入れているようで、高校ぐらいからかなり難しい文章の読解などが試験に出てきます。耳で聞いたらほとんど理解できず、自分で言おうと思ったら全く言えないだろう文を読んでいるのです。

これはほとんど意味がありません。

もちろん、リーディングはリスニングで扱う題材より多少難しめのものを選んでもいいですが、それにも限度があります。

母国語で考えたら、3、4歳の言語能力でいきなり本や新聞を読んだりするようなものです。

リーディングは上級レベルの勉強法

母国語では、リスニングやスピーキングが不自由なくできるようになった段階でリーディングを始めます。ということは外国語でもそれは同じなのです。

上級者になると、語彙を増やすことが主な学習内容になってくるので、リーディングは非常にいい勉強法です。

しかし、初級者はできるだけリスニングやスピーキングに時間を割いたほうがいいのです。話し言葉と書き言葉には大きな差があり、ほとんどの書籍、雑誌、新聞がレベル的には難しすぎます。

リスニングの補助として行う

初級者の場合は、リスニングの補助としてリーディングを行うのが望ましいです。
リスニングの欠点は単語の意味などを確認することができないことなので、それを補うためのスクリプトがあるといいです。スクリプト付きのCDなどを多く聴くということですね。

リスニングとリーディングは別々にやるのではなく、同じ題材を使ってやるのです。
そうすることで相乗効果が働きます。ここに出てくる単語に何度も何度も触れることになり、頭に残りやすくなります。さらに、音読、リーピーティング、シャドーイングなどを加えることで、スピーキングの練習にもなります。

Penguin active reading

初級者におすすめするのがPenguin active readingシリーズです。これは全文吹きこみCD付きの洋書です。英語学習者用に簡単な単語だけを使ってできていて、朗読のスピードがゆっくりです。レベルも5段階あり、入門者用もあります。

Penguin Active Reading

https://www.englishbooks.jp/catalog/index.php/pearson-english-active-readers-penguin-active-reading-c-124_24_304

小説はエンターテインメントがいい

上級者はもちろんどんどんリーディングをやるといいです。小説には純文学とエンターテインメントの2種類がありますが、言葉としてはエンターテインメント小説のほうがやさしいです。エンターテインメント小説というのは、推理小説、サスペンスなどで、有名な作家としてはシドニィ・シェルダンやジョン・グリシャムなどがいます。スティーブン・キングは若干難しいですね。

新聞はThe Japan Times

新聞はThe Japan TimesやDaily Yomiuriならば日本の新聞と同じような記事が載るので、日本の新聞を読んでから読めば内容が推測しやすいです。また、時事問題の英語が覚えられるので、日本の時事問題を外国人と話す時に便利です。自民党って何と言う。国会って何と言うなど、英字新聞を読んでいないとすぐ出てこない単語がたくさんあります。

雑誌は興味のある分野のものが選べる

雑誌はある意味では一番いいリーディング媒体です。自分の興味のある分野の雑誌を読めば、読みたいという動機が強くなるからです。読むという行為は、本来語学を習得するためにするのではなく、読みたい内容があるからするのであって、そういう意味では自分の興味のある記事を読むのがベストです。

例えば、スノボーに興味があるけど、小説や時事問題に興味のない人にとっては、小説や新聞を読むよりもスノボーの雑誌を読んだほうが楽しめるでしょう。

雑誌は難しい

ただ、雑誌は難しいです。というのも、雑誌のライターというのはカッコイイ文章を書こうとするからです。小説の場合、純文学は別ですが、エンターテインメント小説の場合、文章そのもので勝負するより、物語の構成などで勝負する作家が多いです。新聞記者は事実を伝えることを主眼としているので、不必要な飾り付けはしません。ところが、雑誌の記事というのは新聞記事よりも長く、数ページに渡るものもあるので、文章としてそこそこ読みごたえのあるものが求められるのです。

英語では、同じ単語を繰り返さないというルールがライターの間ではあり、次から次へと別の類語を持ち出してくることが多いのです。これはネイティブにとっては読みごたえがあっても、第二外国語として英語を読む者にとっては辞書を引く回数が増え、大変です。

ハウツーものは読みやすい

書籍で読むならハウツーものがおすすめです。ハウツーものというのは、ゴルフの上達法、営業マンとして成功する秘訣、コミュニケーションの達人になる、など、何かのスキルを上達させるための本のことです。こうした本の目的は読者にそのハウツーを学んでもらうことなので、わかりやすい文章が求められます。文学的なセンスよりも、わかりやすさが重要なのでシンプルな文章で書かれていることが多いのです。

インターネットはリーディング題材の宝庫

インターネットにも豊富な題材があります。時事ニュースから、ハウツーもの的な説明文、雑誌風のブログなど、様々なスタイルの文章を読むことができます。

すべて無料で読めます。

辞書の使用は必要最低限に

さて、わからない単語に出会ったらどうすればいいのでしょうか。

まずは推測することです。文脈から意味を推測するのです。

それでもわからない時は辞書を引きます。

ただ、わからない単語が出てくる度に辞書を引いていたらキリがないので、本当に時々だけでいいです。

ある程度読み物として楽しむことが重要なので、わからない単語があっても無視して読み続けましょう。それでも全体の流れは掴めるはずです。それで全体の流れが掴めないのであれば、題材が難しすぎます。もっと簡単なものを選んでください。

私の場合、1度ぐらいでは辞書を引きません。同じ単語が何度も出てきた時にようやく引きます。

読もうと思えば読むものはいくらでもある

洋書もアマゾンで簡単に買えるようになりましたし、今、読もうと思えば読むものはいくらでもあるのです。

これは当り前のようで、実は画期的なことなのです。私が英語を学んでいた30年前は英文を読むことは至難の業でした。一部の大都市の大きな書店でしか洋書は扱っておらず、値段も2、3倍しました。

当時私は東京の国立に住んでいて、新宿の紀伊国屋書店まで洋書を買いに行くことができたのでまだ恵まれていたほうでした。

現在私は滋賀県の田舎に住んでいますが、新宿に住む人とほぼ変わりなく洋書をアマゾンで入手することができます。ネットもそうです。

つまり、今の時代、英語ができないというのはおかしなことなのです。やる気になりさえすれば方法はいくらでもあります。リスニング、スピーキング、リーディング、ライティングとすべてにおいて題材はいくらでもそろっているのです。

それでもやらない人が多い

にもかかわらずやらない人が多いのです。ネットにこれだけ豊富な英文が載っていてタダで読めるのに、読まない。ネットラジオで世界中のラジオ放送をタダで聴くことができるのに聴かない。超字幕のような便利なソフトが出ているのに使わない。ネットフリックスでアメリカのテレビ番組をたくさん視聴できても活用しない。

なぜでしょう。

30年前に比べて英語が話せる人が増えたかと思うと、そうでもない。

なぜなのでしょうか。

自分をやる気にする術を知らないから

ひとつはこうしたことが意外と知られていないということがあります。

しかし、このサイトを含めて、英語勉強法や学習法に関するサイトは山のようにあります。独学で学べる方法はいくらでも調べることができます。そうした情報を得ても、行動に移さなければ意味がないからです。

行動に移しても、1週間でやめてしまったら意味がありません。

1ヶ月でやめてしまったら意味がありません。

結果が出るまでやり続けることが重要なのです。

でも、実際のところ、こうした情報を得た人の30%ぐらいしか行動に移さないでしょう。そしてその30%のうちの3分の2は1週間しか続かないでしょう。つまり、これを読んだ10%しか1週間以上続けないのです。そして、そのうちの3分の2が1ヶ月で断念するでしょう。つまり、1ヶ月以上続けられる人はわずか3%ぐらいしかいないのです。

では、どうすればそのモチベーションを維持できるのでしょうか。

私の知っている限り、その最短の方法はコーチングを受けることです。1週間に1度の割合でコーチと進行状況を確認することで、やり続けられるのです。