一昔前までは、英語の勉強法の中でも、ライティングが一番重要視されていなかったと思います。しかし、最近ではメール、ブログ、フェイスブックなどの普及により、英語で書く機会が増えてきましたね。

それと同時に、私は、ライティングはスピーキングのいい練習になると思っています。ライティングを多くすることでスピーキング力もつくのです。ライティングもアウトプットなので、発信力を必要とするものだからです。

英作能力を養う

ライティングをすることで英作能力が養えます。ライティングのいいところは、じっくり考えて文章を組み立てられることです。わからない単語があれば和英辞典で調べて書くことができるので語彙も増えていきます。

日記をつける

これは昔から人気のある英語勉強法です。私もやっていました。日記には自分の書きたいことを書くので、楽しめる勉強法でもあります。独りでできるスピーキング練習にはその日にしたことを順番に言っていくというものもありますので、それとリンクさせればさらに効果的でしょう。

日常会話のいい準備になる

実際に人と話す時も、How was your weekend?(週末はどうだった?) How was your week?(今週はどうだった?)などという質問に答える時が多いので、日ごろから日記をつけている人は、答えやすいと思います。

ワンパターンになりがち

日記の問題点はワンパターンになりやすいということです。人はだいたい毎日同じことをしますので、月曜から金曜までほとんど書く内容が同じになることもあります。最初のうちはそれでも構いません。繰り返し同じ文を書くことで覚えていくことがあるからです。ただ、ある段階からはバリエーションを増やしていくことが求められます。

意識的に違うことを書いていく

そこで私は、意識的に違うことを書くように努めました。月曜日にその日の行動を書いたのなら、火曜日はその日の思考を書くというように少しずつ変えたのです。行動は一緒でも考えることは違ったりしますから。

必ずしもその日にこだわらず、違うトピックについて書いていきました。今日は天気について書き、翌日は映画について書き、その次の日はクラスメートについて書くというような具合です。

『英会話のネタ帳』

『辞書なしで書ける 英会話のネタ帳』という本は、まさにそうしたトピックごとに書くようにできています。自分でトピックを設定して書ける人はいいですが、そうでない人はこうした本を使って書いていくのもいいと思います。日常会話によく出てくる24のトピックを書けるようになるために、様々な表現やモデル例が載っています。

『辞書なしで書ける! 英会話のネタ帳』

スピーキングとリンクさせる

ライティングをする時に重要なのは、書くだけで終わらせないで、必ず書いた内容を音読し、スピーキングに結び付けることです。

そうすることで相乗効果が働きます。

リーディングとリスニングをリンクさせるのと同じように、ライティングもスピーキングとリンクさせるのです。

『1分間英語で自分のことを話してみる』

一番いいのが、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4つをリンクさせることですが、それに適しているのが『1分間英語で自分のことを話してみる』という本です。これには日常会話によく出てくる40のトピックが載っていて、CDもついているので、リスニングやリピーティング、シャドーイングなどもできます。

『1分間英語で自分のことを話してみる (CD付)』

話せることを書く

ライティングとスピーキングをリンクさせたほうがいいのは、話せることを書いたほうがいいからです。

よく、やたら難しいことを書こうとする人がいるんですね。書くというとつい力んでしまって、必要以上に難しい単語を使おうとする。

書いた文章を音読してくださいと言ってもスムーズに読めない。暗記しろと言ったらほとんどできない。

これでは意味がありません。スピーキングの予行演習としてするライティングの場合、目的はあくまでもそれが言えるようになることです。言えるようになって初めて完結するので、言えないようなことなら最初から書かないほうがいいのです。

スピーキングはすべての頂点にある

もちろん、書くこと自体を目的にした場合は別です。初めから論文を書いたり、何かのプレゼンテーション用の文章を書く場合、自分が話せる内容より難しくなるのは普通です。

十分なスピーキング力を持っていて、次のステップとして文章力をつけたいと思っているのならいいです。ただ、現在のスピーキング・レベルがまだ十分でないのなら、まずはスピーキング力をつけることに力を入れてください。そしてライティングはスピーキングの予行演習としてするのです。

日本人は学校教育の影響からか、すぐ文字のほうに入っていってしまう傾向があります。言葉は話してなんぼです。語学学習においては、スピーキングに一番力を入れるべきだと思います。

日本語から英語に訳さない

また、最初に日本語で考えて、それを英語に訳そうとする人がいますが、できればこれもやめたほうがいいです。日本語と英語では語順等に大きな違いがあるので、どうしても不自然な文章になりやすいのです。和英辞書にも時々聞いたことのないような単語が載っています。間違いではないのでしょうが、聞いたことがないということはあまり使われていない単語である可能性が高いのです。

英語で考える

できれば英語で考えて書いてください。それが難しいのであれば、インプットが不十分であるかもしれません。リスニングをもっとたくさんしたほうがいいでしょう。

英語で考えるといっても、全部を全部英語で考えなくてもいいのです。自分の知っている英語表現だけを使って書く癖をつけるのです。過去形、未来形、I was going to do~(何々するつもりだった)I am supposed to do~(何々することになっている)When I do~, I usually do~(何々する時はたいてい何々する)など、英語にはよく使う表現がいくつかあります。それらを覚え、書く内容をできるだけそうした文に当てはめて書いていくのです。

伝わらないのは当り前

ですから、最初のうちは自分の書きたいことを正確には表わせません。半分ぐらい伝わればいいです。それでも、100%正確に表現しようとして全く伝わらないよりは、十分に伝わるのです。

外国語なんですから、100%伝わらないのは当り前なんです。100%理解できないのと同じように、100%正確に伝えるということを諦めてください。

でもできるだけ英語らしい文章を書いたり言ったりすることを続けていけば、その積み重ねで、少しずつ考えられる内容が広がっていきます。

もちろん和英辞典も必要

もちろん、最初のうちはどうしても和英辞典も必要でしょう。それを使ってはいけないということではありません。冒頭で、和英辞典を使うことで語彙が増えると言いました。そうした利点もあります。ただ、使いすぎないということです。内容をできるだけシンプルにし、自分が使える英語表現だけに留めていく。その中で2、3個、和英辞典で調べた新しい単語を加えるぐらいがいいのです。

ブログ、フェイスブック、書くことで、世界に発信しよう

中級から上級レベルの人は積極的にライティングに取り組んでいくといいでしょう。
フェイスブックなどで世界中の人とつながり、英語で日記を書いていきましょう。ブログを英語で書くのもいいです。今、本当に誰がどこで読んでいるかわかりません。たかが1個人の日々の生活を綴ったことでも、地球の裏側の誰かが読んでいることもあるのです。

素晴らしい時代になりました。30年前にはこんなことは考えられませんでした。今は誰もが情報発信者になれるのです。そして、英語で書けば、読者の数は何十倍にも広がる可能性があるのです。

コーチングには添削サービスも

ライティングで重要なのは誰かに添削してもらうことです。自分だけでは正しく書けているのかどうか確認できません。添削してもらい、それを清書していくことでライティング力は磨かれていきます。当コーチングプログラムには添削サービス付きのライティング補助コースもあります。